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2009年の報告

フー太郎と行くエチオピア スタディツアー2009

これまでのツアー参加者から寄せられた報告

活動10年目のエチオピア

いつか、エチオピアに行ってみたい! 25年来の友人である新妻さんの活動をかいま見ていて、毎年ささやかな年会費と一本の記念樹でフー太郎の森基金の活動に参加していましたが、いつかきっと記念樹の育つラリベラの地を訪れてみたいと思っていました。活動を始めて10年というこの夏、植林ツアーに参加することができました。 私の手元には、新妻さんから10年前にいただいたラリベラからの絵葉書があります。エチオピア暦で1992年元旦、と記された1999年9月12日に書かれたその葉書には「この村からわが基金の第一弾のプロジェクトをスタートできそうです」という一文がありました。それから10年。フー太郎の森基金は多くの方々と繋がって、続いてきたのだな、と、エチオピア、ラリベラに想いをはせていました。
ちょうど、5月に『よみがえれ フー太郎の森』が刊行されて、新妻さんのフー太郎の森基金設立までの道筋を詳しく知ることができ、エチオピアという土地について、どんな旅行ガイドよりも詳しく紹介されているこの本を、旅の前に読むことができたのも、いいタイミングでした。

現地にこの本を持参して中の写真をスタッフに見せたりもして、新妻さんは「ちょっとセンチメンタル・ジャーニーって感じね」と笑っていいましたが、ラリベラの世界遺産の岩窟教会を案内してくれたガイドのフクリュさんが、岩窟教会で撮られた子どもたちの写真を見て、「この写真を撮っていたとき僕も近くにいた、写真には入らなかったけれどね」と、話し出したり、マウンテンビューホテルのレストラン(すばらしい眺望)でウェイトレスの女性に本を見せたら、彼女が最初の駐在員の熊田富美子さんの手芸教室に通っていたと言って、その写真をみつけて、「これが友達で、これが私!」と。――そんな時を超えた出会いもありました。

3000メートルの高地ラリベラは、軽井沢のような気温で、避暑地のような快適な気候でした。国の計画停電でホテルでも電気が使えなかったり、急に水が出なくなったり、今年は雨期がひと月遅れたために植樹した木が立ち枯れていたり、造成した溜め池の周辺が水不足ゆえの事情で荒れていたり――現実の問題はさまざまにありましたが、そんな大地の中に建つ小学校や公園などをスタッフの方々の案内で見学、FFFの成果を見て、厳しい現実と、その中にあっての活動の確かな広がりを感じました。現地のスタッフは、温和で思索的な雰囲気で、ご家庭のインジェラとドロワットをごちそうになり、コーヒーセレモニーなどでも、暖かくもてなしていただきました。私は若い頃、ケニアを旅したことがありましたが、このツアーでは、サファリなどの観光を楽しむのとはまた違う、アフリカを知りました。

ゲオギルス教会のすぐそばの山の斜面にも苗木を植えてきました。そこに育つ木々のことを考えては、はるかなエチオピアの大地と、涼しい風の感触を思い起こしています。

(川崎市/北村 暁子さん)

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